ちいさな宝箱銭湯「百楽湯」
♨︎百楽湯♨︎ (廃業されました)
阪急箕面線牧落駅から数分歩いて行ったところに存在していた、小さな宝石箱のような唯一無二の銭湯。 廃業してからもたまに煙突から煙があがっているのを見るので、まだたまに手入れをしているのかもしれない。 頼むからこのまま取り壊さないで残っておくれと星に願わずにはいられない、マボロシみたいな銭湯!
♨︎いりぐち♨︎
石彫りのかわいすぎる「百♨︎楽」の屋号を見ながら暖簾をくぐると現れる、 暖かい色のこじんまりした玄関。木製の下足箱。
番台の裏の位置にはかつては開いていたのかもしれない小窓があり、その下には小さなタイル絵も。たぶん天橋立! 脱衣所に入る扉の上、扇型の札に男女の入り口が記されている。カワイイ!
♨︎脱衣所♨︎
扉を開くと丸い形の番台には穏やかな顔のおばあさん。 中を見ると、思わずアッと声が出るくらいにかわいいアーチが待ち受けていた……!!
木製ロッカーのガラス面には銀の背景に赤文字の数字。それがまたすごいイカしている…! こんなの見るの初めてで、もうワ〜ワ〜と声が出っ放し…! ロッカーの上には観葉植物がみっしりいっぱい、元気にわさわさしている。 ところ狭しと貼られた昭和の女優カレンダーに、年季の入った体重計などがこれでもかと雰囲気を出していた◎ 番台のおばちゃんの話では、いろいろと昔ながらの年季の入ったアイテムがあったが、ほしいと言ってきたマニアの人とかにいくつかあげちゃったりしたらしい。扇風機とか。
天井は格天井に三枚プロペラのザ・レトロ銭湯。 だがなんと言っても愛すべきはこのスケールかもしれない。今や昔ながらの銭湯はとことん姿を消してしまった箕面界隈に、ちいさいお星様のように残ってくれている、夢みたいな空間。
男女の仕切り壁には小さめの鏡と観葉植物、そしてなぜか寺や自然の風景。(たぶんこれもカレンダーのイラスト)
♨︎浴室♨︎
浴槽は主浴槽深浅のみでシンプル。シャワーはほとんど壊れており、わたしが行った時には使えるシャワーはすでにふたつだけだった。
番台のおばあちゃんの話では「もう壊れたらやめる」とのこと。もうやめるもうやめると思いつつ、地元の常連さんたちの声に応えてなんとか続けてくれているらしい。
涙が出そうなくらい静かで居心地がいい。 何かに守られてるんじゃないかという感覚になる、小部屋のような安心感。 奥のタイル絵は発色もキレイで、まるで小窓から外を覗いているようなカンジ。 なぜかその両隣にある鏡もかわいい。どういう時に使うんやあの鏡…。
こんなに心にグッときて涙腺がゆるゆるになる銭湯があったかしら…! 感動を伝えきれないので少しでも多くの人に訪れて欲しくてたまらない
♨︎基本情報♨︎ (2012年現在)
◎場所 〠562-0004 大阪府箕面市牧落1丁目13−5 阪急箕面線「牧落」駅下車 徒歩4分
☎︎TEL 072-722-3560
◇営業時間と定休日 17:30〜21:00ぐらい/不定休
¥料金 大人360円/中人130円/小人60円/洗髪10円
♨︎追記♨︎
2013年ごろに「しばらくお休みします」という内容の張り紙が貼られ、 そのまま廃業してしまいました。 廃業に合わせて、冒頭部分をすこしだけ書き換えました。 心から復活を待ち望んでいたので、ほんとうにほんとうに悲しい… 絶対にいつかまた来たいと願ってやまないです。廃業しても残っていて欲しいです。